株式会社スノーボール

4月末に出版した拙著『豊かな人生』を実現する資産運用の成功哲学 を読んでいただいた皆様から多くの感想をいただいたが、内容について、とても高く評価していただき、少し安堵している。

一方、世界経済とマーケットに関しては、安堵とは程遠く、依然として不透明な状況が続いている。あまりにも、いろいろなことが次から次へと起こるため、情報整理が大変である。もう随分昔の事のように感じるが、昨年2025年4月2日にトランプ関税が発表された。いわゆる『解放の日』の直後の4月7日の日経平均終値は、3万1136円、そして2026年3月22日の終値は7万2353円であった。

わずか1年2カ月余りで、日経平均は4万円超上昇したのである。デフレが終焉したとはいえ、あまりに急ピッチな上昇に違和感を覚える方も少なくないだろう。日経平均の上昇は喜ばしいことではあるが、この4万円超の日経平均上昇により大きく寄与したのは、ソフトバンク、東京エレクトロン、アドバンテスト、ファーストリテイリングなどの値嵩株である。上記の値嵩株4社で日経平均への寄与率は30%を超えており、これらの企業の株価の爆上がりが日経平均を大きく押し上げているということには注意が必要である。

少数の企業の株価が指数を押し上げている傾向は日本だけではない。お隣の韓国の株式市場である韓国総合指数(KOSPI)は、昨年から驚異的な上昇を見せている。特にサムスン電子とSKハイニックス2社の時価総額がKOSPI時価総額の半分を占めており、KOSPI上昇の70%を半導体2社が牽引しており、日本以上に偏った株価上昇となっている。ちなみにSKハイニックスの時価総額は、サムスン電子を抜き、韓国で時価総額1位、アジアでは台湾のTSMCに次ぐ第2位となった。

台湾の株式市場ではTSMC1社の時価総額が全体の30%超を占めており、韓国と台湾の株式市場の時価総額は、それぞれ英国の時価総額を初めて追い抜き逆転した。日本経済新聞は、5月14日の記事でアジアと欧州の株式市場において歴史的な逆転が起きたことを報じているが、企業の時価総額を見ると世界の中心軸が米欧からアジアへシフトしているようにも思える。

アメリカにおいてもマグニフィセント・セブンやブロードコムを中心にAI半導体関連企業の上昇が指数を押し上げる構図が見られており、世界的なインフレによって苦しい実体経済と歴史的なマーケット上昇との乖離がますます進行しているように感じている。 まさに世界は、大きな変革期にあり、今起きているAI半導体関連企業の躍進は、第4次産業革命の様相である。過去の景気サイクルだけでは説明できない、これまでに見たことのないAI企業の成長スピードに人間の能力が追いついていけていないようにも感じるが、様々な混乱もあるだろうが、この大きな流れは今後も継続するだろう。

6月23日の日経平均株価や韓国総合指数(KOSPI)の急落のように今後もマーケットは乱高下し、ボラティリティの高い展開が続きそうである。しかしながら、過去の歴史を振り返ると、中長期的にはマーケットは右肩上がりで推移していくことは間違いないだろう。一時的にバブルがはじけることもあるが、マーケットはいつも回復してきたのである。 資産運用で大切なことは、短期的なリターンの追求ではなく、リスクを抑えながら、長期的に安定したリターンを獲得していくことである。スペースXとかキオクシアなど今流行りの企業を追いかけるのではなく、むしろこのような局面でこそ冷静にディフェンスをしっかりと固めることが重要である。適切な資産配分によるポートフォリオを維持することで、マーケットの値動きに一喜一憂することなく、安心して本来やるべきことに集中することが大切である。

サッカー日本代表がワールドカップにおいて、素晴らしい活躍を見せている。チュニジア戦においても全く油断することなく、4対0で完璧な勝利であった。チームに慢心はなく、三苫選手や遠藤選手など主力選手が出場できない状況においてもチーム一丸となって本気で優勝を目指している姿をみると、サッカー日本代表の強さは本物である。ワールドカップ優勝は、もはや夢ではないと感じさせられる。 投資においてもサッカー日本代表チームのように地に足をつけて、一喜一憂することなく、ぶれることなく、たんたんと実行していくことが大切である。

今のような激動の時代にこそ、あらためて、投資家の資質や真価が問われると考えている。

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