
2月末に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以降、ニュースでは毎日のように世界情勢や経済の不確実性について取り上げられました。ネガティブなニュースはインパクトが強く印象にも残りやすいため、こうした不確実性が高まる環境に対して不安に思った方も少なくないのではないでしょうか。
中東情勢の悪化に伴い3月は世界的に株安が進みましたが、4月以降は世界的に一極集中的に株価が急上昇して盛り返すようなボラティリティの高い展開が続いています。
例えば、米S&P500種株価指数はM7(マグニフィセント・セブン)の時価総額が全体の4割を占めています。それに加え、年内にスペースX、オープンAI、アンソロピックの米巨大新興3社がIPOを目指しており、さらに米国市場のテック偏重が加速しそうです。また、日本、韓国、台湾などもAI・半導体関連企業がけん引する形で株価指数が今月最高値を更新しました。中東危機への過度な懸念が後退したことも後押しし、AI・半導体関連主導の株価上昇が今後も続くことが考えられます。一方、世界的なインフレ懸念や、22日にFRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏の今後の金融政策などには注視すべきでしょう。
さて、不確実な環境下では、以下のような考えが起こりがちです。
「今のタイミングで追加投資をしていいのか?」あるいは「いま持っている商品は本当に正しかったのか?」というような迷いや不安が出てきます。日々のノイズに左右されず、当初の投資目的を忘れずに長期投資に取り組むことは簡単ではありません。
投資家が市場の変動や心理的な影響に左右されて合理性のない投資判断をしてしまうことを「ダルバー効果」と呼びます。このような非合理的な行動を繰り返すと、何もせずに保有したままの場合と比較してパフォーマンスが劣後することが明らかになっています。
こうした非合理的な行動を自分でコントロールするのが難しいため、プロによる投資アドバイスが有効です。心理的なサポートもアドバイザーの大切な役目だと日々実感しています。
不確実な状況というのは今に限らず、過去を振り返るといつの時代もそうでした。しかし、不確実な時代を乗り切った先には、良い商品に投資をしている場合、投資をするタイミングよりも投資を継続した年数の方が効果が大きいことを実感するでしょう。
最後に、今は特殊な相場環境です。そのため、銘柄においても明暗が分かれています。例えば、AIに取って代わられるのか、代わられないのかなどです。自分が持っている商品が良いものにも関わらず下がっているときは、マーケットが間違えている可能性もあります。ボラティリティの高い展開は今後も続きそうですが、不安や恐怖から慌てて非合理的な行動をとらず、自分が決めた投資目的を思い出し冷静に判断することが重要です。