
今年ももう半分以上が経過し、これまでに起きた世界経済の出来事を整理してみました。2026年は激動の幕開けとなりました。
1月
・米国がベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領と妻を拘束(3日)
・トランプ大統領は7日、計66の国際機関や条約からの脱退を米政府に指示(7日)
・スイスフランが対円で初めて1フラン=200円台(20日)
・ゴールドの国際価格が初めて1トロイオンスあたり5000ドルの大台を突破(26日)
1月は米国のベネズエラ攻撃から始まり、波乱の幕開けとなりました。グリーンランドの領有を巡って米欧間の貿易摩擦が激化し、米ドルの信認が揺らぎました。それによって、安全資産であるスイスフランが買われ、金価格は1トロイオンス5000ドルを突破しました。
2月
・アンソロピックの新技術公開をきっかけに「SaaS」関連企業の株価が急落(3日)
・米連邦最高裁はトランプ関税を違憲とした(20日)
・米ブルー・アウル、ファンド解約停止(18日)
・米国とイスラエルは28日、イランを攻撃(28日)
2月はAI開発新興企業、アンソロピックのクロード・コワーク発表を受け、既存のソフトウェア企業のビジネスモデルがAIに取って代わられるのではないかという思惑から企業業績が好調にも関わらず株が売られ、米セールスフォースや独SAPの株価は急落しました。また、現地時間の28日に米国がイランを攻撃し、世界中に混乱が広がりました。
3月
・ホルムズ海峡の封鎖により、原油・ガス価格が高騰(3日)
・長期金利の3月の上げ幅は英独で3年ぶり、日本は18年ぶりの大きさ(31日)
イランの最高指導者であったハメネイ師は米国とイスラエルによる空爆によって死亡し、イランは世界最大の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖しました。アジアの国々はホルムズ海峡を通る中東産原油の輸入に大きく依存しているため、原油価格が高騰し、インフレ懸念が高まりました。
4月
・AI台頭や収益減観測で米セールスフォースは2025年末から2~3割安(7日)
・ハンガリーの議会総選挙で、オルバン・ビクトル首相が敗北(12日)
・日経平均株価は史上初めて終値で6万円台をつけた(27日)
・新発10年国債利回りが一時2.535%に上昇し、1997年以来の高水準に(30日)
4月に入ってからもソフトウェア関連企業のAI代替懸念は続き、米セールスフォースの株価は去年の年末から2〜3割安となりました。また、トランプ大統領と親しい関係にあったハンガリーのオルバン首相は議会総選挙で敗北を認めました。中東情勢を巡るインフレ懸念から債券が売られ、日本の長期金利は一時2.5%に上昇しました。
5月
・新発10年国債利回りが一時2.6%に上昇し、およそ29年ぶりの高水準(13日)
・米金利上昇で投資妙味が低下し、金・銀・プラチナ価格が急落(19日)
・財政懸念を背景に日本国債は売られ、長期金利は一時2.8%まで上昇(19日)
ホルムズ海峡の封鎖が続く中で原油価格は高止まりし、インフレ懸念が高まったことで債券の売り圧力が高まりました。日本国内の財政懸念も重なり、長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時2.8%まで上昇しました。
6月
・金利のつかないビットコインへの売り圧力が増し、2024年10月以来の安値圏(10日)
・12日、スペースXが上場、初値150ドルで公開価格11%上回る(13日)
・キオクシア社員が「10億り人」に(30日)
6月に入り、金利の高まりによって、インカムのない資産が売られました。債券や株式はキャピタルゲインに加えて配当や利息等のインカムゲインが得られますが、ビットコインなどの仮想通貨ではキャピタルゲインしか獲得できません。それによってビットコインや金への投資妙味が低くなり、価格が下落しました。また、国内半導体メーカーのキオクシアの社員(約600人)が10億円の自社株を保有することになりました。
今年の上半期を振り返ると、ますますAI半導体関連企業に偏重した株式市場になっていると思います。日経平均株価は年初来で40%近く、韓国総合株価指数(KOSPI)は100%近く上昇しています。生成AIの技術革新が進み、金鉱を掘る人ではなく、ツルハシ商売をするような銘柄が大きく上昇しました。また、米国の信用力が大きく低下した半年でもありました。グリーンランドの領有問題や、ベネズエラ攻撃、イラン戦争もあり、米国政府が国際社会で孤立し信用を失墜させる一方で、中国に好意的な国々が増えています。世界の激動は今後も続いていくと思われます。