株式会社スノーボール

バブルの歴史から思うこと

昨年から「AIブームはバブルなのか?」という議論が活発化しました。

テクノロジー関連のバリュエーションが急騰していることから警戒が必要だと感じる一方、インターネットがインフラになったように、AIもすでにビジネスや実務に組み込まれている点で、一時的な流行りではなく長期的に定着する可能性がみられてきました。

ただ、最終的にどのAI企業が生き残るのかは見極めが重要だと感じています。AI関連であればどのような企業でも上昇するという状況はいつか終わりを迎えると思います。過熱する市場の中で、借入金などの他人資本を積極的に活用して事業規模を拡大し収益性向上を目指すいわゆる財務レバレッジの高い会社の株価まで過大に評価され始めるとバブルが崩壊する可能性はあると考えています。

全世界株式指数は2023年から3年連続で上昇しています。しかし、過去を振り返るとリーマンショック以降4年連続で上昇したことはなく、今年初めて4年連続で株価が上昇するかどうかに注目が集まります。

さて、過去に様々なバブルがありましたが、その中でも今回はオランダのチューリップバブルについて取り上げます。

1630年代のオランダ共和国には投機熱が爆発しやすい条件が揃っていました。オランダの織物の貿易がブームになり、東インド会社はバタビア(ジャカルタの旧称)植民地の開発を進めて利益をあげ、株価が17世紀のどの時期よりも急速に上昇しました。さらには、住宅価格も急速に上昇し、郊外の邸宅の建設ブームが起きました。オランダは所得水準がヨーロッパで最高となり、消費を楽しむ人が増え、特にチューリップが当時のオランダ人にとって顕示欲と富への強い欲求を同時に満たすものになりました。オランダ人がお花に強い関心をもつ理由は、オランダの地形にあります。平地で土壌が肥えているため、お花を育てるのに最適だったのです。

最初、チューリップは貴族か植物学者の庭園にしか見られないもので富の象徴とされ、17世紀初頭には、特にめずらしい品種がとてつもない価格で取引されるようになりました。それは、アムステルダムの小さなタウンハウスが買える額です。チューリップの花の模様はどのようなものになるのかといった不確実性があり、もしやの可能性に賭ける余地があり投機に適していたのです。

チューリップ狂が始まった時期は1634年ごろですが、チューリップ市場は参加者の増加とともに変化し、1636年後半から37年初めにかけて投機熱が最高潮に達したころ、球根が実際に受け渡されることはありませんでした。この時期、球根は花壇の土の中で眠っていたのです。球根の先物取引が登場し、チューリップの価格は常軌を逸していました。また、チューリップには継続的な収益(インカム)を生み出すことはありませんでした。チューリップ狂の発端は珍しい品種の価格上昇であり、これに刺激されて新たな参加者が市場に殺到するようになりました。株式市場のブームも同様のことがいえるかと思います。1840年代には鉄道株の急騰、1920年代には自動車株の急騰が引き金となり、新規の参加者が投機に加わるようになりました。

オーストラリア出身の経済学者であるJ・A・シュンペーターは、投機の熱狂が通常新しい産業や新しい技術が登場しそれらの可能性が過大に評価され、新規事業に引きつけられる資金が過剰になったときに発生すると指摘しています。

直近のAI関連株の高騰にも、過去のバブルと多少なりとも似た側面が一部見られており、個人的には注意が必要だと感じています。投資先が一定しておらず利益を得られる機会があればなんでも追及しようとしたり、キャピタルゲイン(値上がり益)だけを期待して、継続的なインカムを無視したりする投機的な活動をする人々が増えてくると、市場は悪い方向へと変化していくでしょう。

やはり、企業の利益から分配される株式の配当や、企業が発行する債券から受け取る利子(クーポン)の積み上げが何よりも重要だと考えています。利息が利息を生むことで「雪だるま式」に資産が増え、運用期間が長くなればなるほど「複利効果」が期待できます。

ここ数年の株高の影響で投資を始めたいという方も増えてきましたが、上記の大事なことを忘れずに、途中で方針を崩さずに、安全に運用を継続していきましょう。

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