株式会社スノーボール

ドルコスト平均法

2025年も残すところ半分となりました。世界情勢が目まぐるしく変化し、今もなお不透明な状況が続いています。

今年は、多くのお客様から「トランプ政権の不透明な状況の中でも積立を継続するべきでしょうか?」、「今のタイミングではなく、もう少し様子を見てから投資した方がいいでしょうか?」というご質問をいただきました。先行き不透明な状況下で継続して追加投資を実行することは心理的にとても難しいですが、感情を入れずに淡々と当初決めた計画に沿って追加投資を行うことが資産運用の成功に大きく影響します。

改めて、資産運用は大きく分けて「運用金額」「運用利回り」「運用年数」の3つの要素で決まります。

「運用利回り」は不確実(言い換えるとリスク)ですが、「運用金額」と「運用年数」は皆様がご自身でコミットできる要素です。まずは、ある程度ご自身でコントロールできる「運用金額」と「運用年数」を最大限増やすことを意識していただきたいと考えています。運用金額が大きければ大きいほど、運用年数が長ければ長いほど、将来価値は大きくなる可能性が高まります。(ただし、良い商品に投資した場合に限ります)

運用金額の増やし方ですが、私が多くのお客様を見てきて皆様に共通していたことは、

1、毎月の収支を確認している(無駄遣いがほとんどない)

2、メリハリのある支出をしている(絞るところは絞り、使うところは使う)

3、手元に残しておくべき金額を超えた額を淡々と運用にまわしている

この3つです。

この3つの習慣がある方は、そもそも預金の習慣がありメリハリのある支出をしているため、ストレスなく充実した生活を送っていらっしゃる印象です。無理のない範囲で運用を継続することができるので、結果的に途中で売却する必要がなく運用年数が長くなるのです。

特に、3つ目の手元に残しておくべき預金額を超えた額を淡々と運用にまわしている方は、タイミングを計って投資をしていません。一括で追加投資される場合も、タイミングを計るよりも時間を味方につけて良い商品に長く保有いただく方がずっといいのです。タイミングを計って投資したとしても、良いタイミングだったかどうか分かるのはずっと先のことです。

そこで、積立投資は淡々と毎月欠かさず投資を継続することが可能なので、タイミングが気になってしまうという方にも最適な方法です。「ドルコスト平均法」をご存知でしょうか?

ドルコスト平均法とは、毎月一定額を投資信託などの金融商品に投資していく方法です。価格が高い時には購入量が少なく、価格が低い時には購入量が多くなるため、平均購入単価が平準化され、価格変動リスクを軽減する効果が期待できます。時間をかけて少しずつ購入することで、リスクを抑えながら長期的な資産形成を目指すことができます。また、投資タイミングを見極める必要がないため、初心者の方でも始めやすいという点がメリットです。

一方で、市場全体が上昇していく局面では、一括で投資をしていればよかったというお声もございます。なので、基本的には今ある余裕資金は一括で運用し、積立は新たに入ってくる毎月の給与の余った額ということが基本かと思います。

最後に、6月3日に経済協力開発機構(OECD)は経済見通しを発表し、2025年の世界の成長率を3月時点より0.2ポイント引き下げ2.9%と予測しました。世界の成長率は以前ほどの強さはありませんが、6月26日の終値で代表的な世界株指数MSCI ACWIは4カ月ぶりに最高値、6月27日には日経平均株価が5カ月ぶりに大台の4万円台を回復し、S&P500種株価指数も約4か月ぶりに市場最高値を更新、ナスダック総合株価指数も約半年ぶりに最高値を更新しました。

特に、米主要企業の継続的な利益成長に注目が集まっています。関税の影響や米経済の減速という逆風下でもAI関連などがけん引しているのです。世界の成長率が高いときはどの業種や銘柄に投資をしても比較的リターンがとれたかもしれませんが、今年はよりいっそう銘柄選択の重要性が増しているかと思います。

不透明な状況下でどのような行動をとったらいいのか?ということは多くの方が迷われるかと思いますが、淡々と当初決めた計画で運用を長く継続される方が結果的には上手くいっています。相場が下落したからといって焦って売却する必要もなく、下がったからチャンスと余裕資金を削ってまで投資金額を増やす必要もありません。引き続き、お一人お一人に合ったペースで運用を継続できるようサポートをさせていただきます。

2025年後半もどうぞよろしくお願いいたします。

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