株式会社スノーボール

米Z世代の傾向

近年、米国のZ世代が消費、政治、労働市場等において、急速に影響力を強めています。Z世代は一般的に1997年から2012年頃に生まれた世代を指し、私もこの世代に該当します。Z世代は生まれた時からテクノロジーが身近にあったため、それ以前のミレニアル世代やX世代とは大きく異なります。今回のコラムでは、私も大学時代に時間を共にした米Z世代に迫ります。

米Z世代の多くがホリデーシーズンの支出を大幅に削減しています。米消費者4270人を対象にした昨年のデロイトの調査によるとZ世代の買い物客はホリデーシーズンの支出を平均34%削減する見込みだと回答し、これは他の世代を大幅に上回っています。物価や金利上昇の影響もあり、Z世代は消費により慎重になっています。また、米国で広がっている「BNPL」はZ世代から支持されています。BNPLとは「Buy Now Pay Later」の頭文字で、分割後払い決済サービスのことです。例えば、Z世代の若者は今はコンサートに行くお金がないがBNPLを利用し、後払いするようなことをしています。この決済サービスはクレジットカード不要でメールアドレスと携帯電話番号のみでオンライン審査を瞬時に完了でき、手軽に利用できる一方、返済難に直面するケースも多く見られます。

日々の情報収集はSNSを経由して行うことが多いです。大統領選の情報もTikTokやXで情報収集する若者が増えています。個人的にSNSでの情報収集はリアルタイムでニュースを入手できるという利点はあるものの、AI技術によるディープフェイクの画像や動画等も拡散されるため、多くの問題点があると思います。また、SNSのアルゴリズムによって自分好みの情報を多く目にする機会が多くなるため、入手する情報にバイアスがかかってしまいます。

また、ポッドキャストも米Z世代の間で人気の媒体となっていて、この世代の約6割が毎月ポッドキャストを聞いています。アメリカで一番人気のポッドキャストは「The Joe Rogan Experience」です。主にアメリカの保守層の若者から絶大な支持を得ています。トランプ大統領はZ世代の支持拡大のため、ジョー・ローガン氏のような有名ポッドキャスターの番組に積極的に出演しました。ポッドキャストでは、かしこまった話をするのではなく庶民的な会話がされ、長尺でも視聴しやすい形態になっています。ローガン氏とトランプ大統領のポッドキャストはYoutubeでも配信され、最初の24時間で約2600万回再生されました。

個人的に米国に限らずZ世代の若者の情報収集手法に関して少し懸念を持っています。彼らは一日の多くの時間をSNSに使っているため、それらの媒体から情報を得ることが多いです。SNSの運営会社はユーザーにより時間を使ってほしいためユーザーが好む情報を優先して視聴させています。また、投稿者はより多くのユーザーを引き付けたいため、投稿内容は事実よりも少し過剰になりがちです。Netflixで放映されているドキュメンタリー「監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影」でそれらの内容について詳しく説明しているためお時間のある方にはお薦めです。

最近、投資の世界においても金融知識が乏しいインフルエンサーが視聴者に向けて投資アドバイスをしているケースが見受けられます。投資において特定の銘柄あるいはファンドだけを購入しておけば良いなどということはありません。それらは時代によって変化していきます。これまでにない情報過多の時代においてメディアリテラシーの向上は必要不可欠だと考えます。

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