株式会社スノーボール

すでに起こった未来

ピーター・ドラッカーは、『すでに起こったこと』を観察すれば、それがもたらす未来が見えてくるとして『すでに起こった未来』と名付けた。

【2025年】は、【1989年】と同様に世界経済の大きな転換点と考えているが、2026年3月現在も世界はイラン情勢など予測不能な出来事が頻発しており、これまでの世界秩序はすでに崩壊しているようである。人類は、20世紀に起きた2度の世界大戦をはじめとする様々な戦争の苦い経験を生かさなければならない。しかしながら、足元で起きている紛争を見ていると、人類は、これからも同じ過ちを繰り返すのだろうか。未来は誰にも分からないが、不確実性の高い世界を生き抜くためには『すでに起こった未来』を観察することの重要性がますます高くなってきたように思う。

私は2007年にファイナンシャルアドバイザーのキャリアをスタートして今年で20年目となる。運用成果を高めることにおいて運用期間は極めて重要な要素である。複利効果は、運用年数が長くなればなるほど威力を発揮する。長期投資の運用期間であるが、何年以上やれば長期という定義はないが長期投資というのは、最低10年以上と定義して良いと考えている。そのような意味では日本では真の長期投資家は、まだまだごく少数である。当社にも10年以上投資を継続している方が年々増えている。一番長い人は、20年目であるが、10年以上投資を継続している人のポートフォリオを観察して感じるのは、やはり10年間正しい方法で投資を継続すると一定の成果が出るということである。もちろん投資資産が右肩上がりでいつも上がってきたわけではなく、上がったり下がったりを繰り返しながら、長期的に資産が成長してきたのである。資産運用に限った話ではないが、ビジネスやスポーツ、芸術などの世界においても正しい方法で10年間活動を継続すれば一定の成果が出る可能性が高いと思う。一方で間違った方法で10年間継続したら、大した成果は出ないどころかとんでもない結果になるかもしれない。

私たちが推奨する長期投資とは、短期間で利益を上げる事ではなく、10年で資産を倍増させて終わりというものでもない。以前60代半ばの方で『お金が倍になったから、中浜さんもう満足です』と言って投資をやめて預金に戻したいとおっしゃった方がいた。もちろん資産運用に対する恐怖心からもう売却したいという気持ちは理解できるものの、60代の人生はまだまだ先が長い。余裕資金を運用して、増えたからという理由で預金に戻して10年、20年放置するほうがリスクが大きいと考えるべきである。もちろん必要な資金は取り崩していくべきであるし、長期投資でガンガンお金を増やせばよいというものでもないが、余裕資金(当面使わない資金)は、適切な形で運用を継続するべきである。

当社には380名近くのお客様がいるが、資産運用の本質を理解するには早い人でも5年程度の時間を要すると考えている。10年たっても理解していない人もいるが、私たちファイナンシャルアドバイザーがしっかりと管理していれば問題ないと思う。運用会社の方に教わった話であるが景気のサイクルは4年程度(米大統領選挙なども4年に一度である)であり、2サイクル経過する8年程度運用すると運用成果が確認できる可能性が高い。私もこれまでの経験上8年という期間に同意するが、多くの投資家は短期志向であり、日々の値動きや短期間の運用結果に一喜一憂してしまう結果、長期投資を継続することが出来ないのである。

全世界株式指数MSCI AC ワールドインデックスの過去50年間の平均リターンは、約7%である。72の法則によれば、72÷7≒10であり、全世界株式指数は、10年で2倍、20年で4倍となったことがわかる。20年前に全世界株式指数を1000万円買っていたら4000万円になっている計算である。戦略なきままに株式を短期で売買しても長期的に資産が増える可能性は低い。私自身も実践しているが、適切な資産配分を維持した上で良い投資信託を長期で保有することに勝る方法はないと確信している。

日頃からファイナンシャルアドバイザーとして長期投資を成功に導くために『すでに起こった未来』について、意識しているが一番正確に未来を予測できる要素の一つが、人口である。

人口は、出生率と死亡率を計算することで大きく予測が外れることはないと言われているが、国連の推計によると2024年時点で82億円の人口は、2030年に85億人に達し、2050年には約97億人~100億人、2080年代半ばに約103億人とピークに達し、2100年までに102億人に微減すると予想されている。日本やドイツなど欧州先進国においては人口減少するが、東南アジアやアフリカ、中東では今後も人口が増えることは確実であり、これが『すでに起こった未来』である。

世界人口が2080年まで拡大するということは、今後50年程度は世界GDPは成長していくということである。世界人口と世界GDPと(広義の)マーケットは、長期的には正の相関があり、今後も世界人口と世界経済の成長とともに株式市場全体も成長していく可能性が高いということ。日々、起きているニュースや株価等に一喜一憂するのではなく、長期的な視点を持って、世界経済の成長の果実を享受するべく、リスクをとって投資を継続することが重要である。まさに今のような世界経済やマーケットが不透明な時期にこそ、投資家の真価が問われると考えている。

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